JAXA(宇宙航空研究開発機構)による月面探査機「SLIM」は、2024年1月20日に月面着陸に成功しましたが、その後、通信が途絶えていました。
しかし、1月25日の夜に再び通信に成功したことを発表しました。
探査機「SLIM」は1月20日、日本で初めて月面着陸したうえで月面の岩石の成分の観測などにも成功していましたが、その後、月面が「夜」に入り、太陽光が当たらなくなったため、休眠状態となっていました。
休眠状態だった「SLIM」は、マイナス170度と言われる「月面の夜」の過酷な環境を乗り越えたこととなります。
【SLIM復活の要因】
・月の自転によって太陽光がパネルに当たるようになった
・バッテリーの残量がわずかに残っていた
【SLIM復活後の成果】
・月面の画像を新たに取得
・月面環境に関するデータを収集
【SLIMの今後の予定】
・3月まで月面観測を継続
・4月以降、地球へ帰還
SLIM復活は、日本の月探査にとって大きな成果です。
今後の観測によって、月の起源や進化に関する新たな知見が得られることが期待されます。
【月面探査機「SLIM」の概要】
SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)は、JAXAが開発した小型月面着陸実証機で、ピンポイント着陸技術の実証(他の海外探査機と比較して、着陸地点の精度を数キロメートルから100メートルオーダーに向上させること)を目指しています。
「SLIMの主な特徴」
・世界初の小型月面着陸機
・軽量な月惑星探査機システムを実現し、観測装置の高度化に対応
・着陸地点の精度を数キロメートルから100メートルオーダーに向上させることを
目指し、着陸地点の誤差100メートル以内という高精度な着陸に成功
・月面での自律運用
・月面環境のデータ収集
・月の起源を探るための試料を採取し、将来の太陽系科学探査に役立てることを目指す
「SLIMの成果」
・月面着陸技術の確立
・月面環境に関する新たな知見の獲得
・月探査の低コスト化
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